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※最近はジェバンニP分と小説家「泉和良」分も若干多いです※


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2010-12-21

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彼女は星を見た。


小噺です。創作なので苦手な方はバック推奨。

とあることに感動したので暴走した結果です。
読んでも意味不明の可能性がありますが解説は後ほど。


この下20AU

闇は唐突に訪れた。その日、空から光が消えたのだ。

彼女はいつも通り目が覚めてからその世界を眺めていた。

「今日は星が出ていないね」

彼女は猫に話しかけたが、猫は丸くなって寝ているようだった。


憶えている最初の時間からその世界に居た彼女にとって、星は猫の次に大切な友達だった。星の位置は日によって違ったが、彼女は星の違いが分かった。そして彼女は星々に名前をつけてそのささやきを聞いていた。

「あの星は今日は寂しそう 何かあったのかな」

そのささやきは彼女の妄想だったのかもしれないが彼女は日々星と会話をしていた。


星が消えることは昔もあった。長くても1日程度だったので彼女はこの世界はそういうものなのだと思っていた。

でも今回は何かが違った。何日経っても再び星が出ることはなかった。

それに何かが壊れてしまったのか、時が止まったような感覚に襲われて彼女はすぐに眠くなってしまった。


彼女は何度も眠ってしまい、起きてからすぐに空を見上げた。

星がない空が悪い夢であることを若干期待していたが、その期待はすぐに否定された。空はただ暗く溶けるような闇であった。闇に吸い込まれるように彼女はまた意識を失った。


元々猫と二人ぼっちだったことは分かっていた。

世界から星が消えた後も、時よりラムネは空から降っているようで猫は特にお腹をすかせていなかった。彼女自身はお腹が空くこともなかったので不自由はなかった。

「今日も星は出てないね」

目が覚めて久しぶりに起きている猫を見つけた彼女はそう語りかけた。

「もうあの子たちに会えることはないのかな」

彼女はぽつりとつぶやいて眠ってしまった。


そうして日が経った。あいかわらず空は暗いままだった。彼女が空を見上げることもなくなった。彼女は星が見えなくなった日から調子が悪く、寝るだけの日々を送っていた。


ある日は調子がよかったので彼女は気晴らしに郵便受けを見に行った。

星が無くなった日を最後に誰からか分からない手紙が来ることも無くなっていたので手紙など来ているはずもないと分かっていたが、彼女はもしかしたらと思って郵便受けを開いた。


そこには1通だけ手紙が入っていた。

日付を確かめてみると星が無くなった後の日付だった。

彼女は猫が時々するいたずらではないかと思ったが、

手紙の中には猫語ではなくて彼女が読める言葉でこう書いてあった。

『もうおくれないのかな』


彼女は少しだけ心が晴れたような気がした。

そして暗い空を見上げた時、


  彼女は星を見た。


それは薄暗い星であったが、確かに空には少しだけ星があったのだ。彼女の目からは涙が1粒だけこぼれた。


その日から、彼女はまた空を見上げて過ごしている。